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たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約

20世紀末から新たな保健上の課題に対して地球規模での対応が求められるようになり、WHOは当初から検討を進めていた「たばこ規制枠組条約」を策定し、2005年2月27日に発効しました。

世界保健機関(WHO)は1970年代からたばこの問題に取り組み、今でも毎年5月31日の世界禁煙デーなど、たばこと健康について考えるための機会を設けています。そもそも欧米では古くは1930年代以降から肺がんをはじめとする喫煙の健康影響に関する科学的知見が公表され、公的な機関による総括報告も1960年代から刊行されています。

しかし多くの国々で所持や使用が厳しく規制されている麻薬などと異なり、一般に流通して人々の間に流行がある喫煙習慣については、禁止など強い規制の実施はもとより対策を進めることについても様々な困難が伴います。主に民間の営利企業であるたばこ産業による様々な販売促進など、特に女性や若者を中心にたばこを魅力的に見せる環境は続いています。また関税撤廃による貿易の自由化が進み、多国籍企業としてのたばこ産業にとっては、需要の減少する先進国よりも開発途上国が好ましい市場となっています。

一方で20世紀末には、持続可能な開発・発展をキーワードとして地球規模での環境問題への取り組みが政策課題として取り上げられるようになりました。保健においては、先進国だけでなく開発途上国においても感染症だけでなくいわゆる生活習慣病の予防の重要性が認識されるようになりました。世界銀行は、たばこの流行をAIDS/HIVの流行に次ぐ地球規模での脅威と位置付け、その対策の重要性をうたった報告書を1999年に公表しています。この時期から大局的に、新たな国際的に拡がる保健上の課題に対し、地球規模での対応が求められていたといえます。

ちょうどその頃に米国では、たばこによる訴訟の転換点が訪れ、たばこ産業の内部告発などによって「いかにニコチンを効率的に体に吸収させることができるか」という研究が行われていたにもかかわらず、たばこ産業のCEOたちは「ニコチンの依存性を知らない、ないと思う」という虚偽の証言をしたことが明らかにされました。その後たばこ産業は連邦政府と医療費の返還などの和解を行いました。このような変化と国際的な動きが重なったことでたばこと健康の問題への対応が進むことになったと言えるでしょう。

WHOでは世界保健総会において、1995年にたばこ規制に関する施策の必要性が議論され、1998年には条約の作成が提案されました。その後政府間交渉などの過程を経て、2003年に「たばこ規制枠組条約」として成立しました。日本が参加を表明したのは2004年6月ですが、WHO加盟国の40か国以上が参加してからの発効という決まりになっていたため、実際に効力が発生したのは、チリが参加した後の2005年2月27日でした。南米由来のたばこが、その南米にあるチリの参加によって国際的な規制の枠組みとして成立したというのは、ある意味感慨深い偶然かもしれません。

2013年9月現在168カ国が批准し、5回の締約国会議を経て、受動喫煙防止・公衆衛生政策のたばこ産業からの保護・たばこの警告表示・たばこの広告と宣伝の禁止・禁煙治療などのガイドライン・たばこ製品の不法取引廃絶に関する議定書などが定められています。

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