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わが国のたばこ規制対策の現状

日本において2000年からの健康日本21《第1次》以降に実施された主なたばこ規制・対策には、2003年の受動喫煙の防止に関わる健康増進法の施行、2006年の禁煙治療に対する保険適用、2010年の国民の健康を守る観点からのたばこ税・価格の引き上げ(1箱110円程度の値上げ)、2010年の神奈川県受動喫煙防止条例の施行、2013年の兵庫県受動喫煙防止条例の施行があります。このようにたばこ規制・対策には一定の進展がみられますが、2005年に発効したWHO「たばこ規制枠組条約」において求められている内容と比較すると、まだ十分でない点が多く、今後のさらなる取り組みが必要です。

2012年7月に策定された健康日本21《第2次》においては、未成年者の喫煙防止の目標に加えて「成人喫煙率の減少」と「受動喫煙防止」の数値目標、「妊娠中の喫煙をなくす」(妊婦の喫煙率をゼロにする)という目標が新たに盛り込まれました。
目標の考え方:影響の大きさを考慮 して0%とする
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健康日本21《第2次》では、健康寿命の延伸と合わせて健康格差の縮小が最上位目標として掲げられています。喫煙率の所得格差の縮小も含めて喫煙率を効果的に減少させるためには、教育や啓発を中心としたアプローチだけでは限界があり、環境整備が必要となります。特にたばこ税・価格の大幅引き上げは成人の禁煙の促進や青少年の喫煙防止に役立つほか、喫煙率の高い低所得層の禁煙を促進する効果があります。受動喫煙防止の法規制の強化により喫煙できる場所を制限すること、たばこのパッケージへの写真付きの警告表示、たばこの広告規制、禁煙治療の保険適用による費用負担の軽減なども喫煙率を効果的に減少させる環境整備です。

これらの環境整備がたばこの消費量や喫煙率の減少、さらに受動喫煙の防止につながることについては十分な科学的証拠があり、日本も批准しているWHOの「たばこ規制枠組条約」(2005年2月発効)に盛り込まれています。
WHOは枠組条約に盛り込んだ規制・対策の中から、6つの主要政策にMPOWERという名前(それぞれの頭文字)を付け、政策パッケージとして提示しています。その内容は「Monitor(たばこ使用と政策のモニタリング)」「Protect(受動喫煙からの保護)」「Offer(禁煙支援・治療)」「Warn(たばこの危険性の警告)」「Enforce(たばこの広告・販促・後援の禁止)」「Raise(たばこ税の引き上げ)」です。

日本では2000年からの健康日本21の第1次計画以降、国または都道府県レベルで実施された主な対策としては下記があります。
1.日本では初めて国民の健康を守る観点から実施された2010年のたばこ税・価格の引き上げ(たばこ税1本3.5円、価格1箱110円程度。そのほか2003年・2006年にも財源調達の目的で価格にして各々20円・30円の値上げがあった)
2.受動喫煙の防止(2003年の健康増進法の施行、2010年の公共場所における屋内禁煙を原則とした厚生労働健康局長通知、2010年の神奈川県における罰則付きの受動喫煙防止条例の施行、2010年に閣議決定された「新成長戦略」における「受動喫煙のない職場の実現」の目標設定、2010年の職場の受動喫煙防止対策の抜本的強化を求めた「今後の職場における安全衛生対策に関する建議」、2012年の兵庫県受動喫煙防止条例の成立)
3.禁煙支援・治療(2006年の禁煙治療に対する健康保険の適用)

これらの対策の一部は、上述の枠組条約を受けて実施されたものですが、条約およびそのガイドラインで求められている対策と比較すると、まだ十分でない点が多く第2次健康日本21の中で更なる推進が必要です。WHOが各国のたばこ規制・対策の取り組みを評価した報告書から、日本の取り組みの評価を世界で最も規制・対策が進んでいる英国と比較すると、環境整備のための法規制の遅れが明らかです。喫煙と受動喫煙によって年間約14万人の尊い命が失われ、医療費等の多くの経済的損失をもたらしている現状を踏まえると、今後のさらなる取り組みが求められています。
たばこ対策の推進に役立つファクトシート
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自治体におけるたばこ対策を推進するためのファクトシートを作成しました。政策決定者や政策担当者を対象とした政策提言用のファクトシートです。ファクトシートは「たばこ増税政策」「受動喫煙防止対策」「禁煙支援・治療総論」「がん検診の場における禁煙支援」「クイットライン(電話での無料禁煙相談)」の5種類です。このファクトシートは、平成25年度厚生労働科学研究「発がんリスクの低減に資する効果的な禁煙推進のための環境整備と支援方策の開発ならびに普及のための制度化に関する研究」(研究代表者 中村正和)の研究成果をもとに作成したものです。

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