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喫煙とがん

国際がん研究機関(IARC)の2012年の報告によると、喫煙との関連が確実ながんとして、口腔・鼻咽頭・副鼻腔・喉頭・肺・食道・胃・膵臓・大腸・肝臓・腎臓・尿管・膀胱・子宮頚部・卵巣・骨髄性白血病があげられています。また2004年の米国公衆衛生長官報告書でも、口腔・喉頭・肺・鼻腔/副鼻腔・中/下咽頭・食道・胃・肝臓・膵臓・子宮頸部・尿路・白血病(骨髄性)は喫煙との因果関係があると判定されています。
たばこの煙には60種類以上の発がん物質が含まれています。煙の通り道(くち・のど・肺)はもちろん、唾液などに溶けてとおる消化管(食道・胃)、血液中に移行して排出される経路(血液・肝臓・腎臓などの尿路)でもリスクが高くなることに注意が必要です。

喫煙とがんとの関係については古くから指摘されています。特に肺がんと喫煙との関係は、実際の症例に基づきその喫煙歴との関連を検討した研究は既に第二次世界大戦前に存在しています。ドイツのミュラーは1939年に肺がん症例の喫煙歴を調べてその関連を指摘しています。以後多くの研究がなされ、個々の研究でなく複数の研究から総合的に判断する総括報告が数多く存在し、近年ではその更新版が出ています。

その代表例が国際がん研究機関(IARC)です。IARCではヒトに発がん性があるとされる物質などについて系統的に評価を行い、実験のレベル・ヒトでの観察研究(疫学研究)のレベル、いずれにおいてもがんとの関連があるかどうかを検討し、最終的にヒトへの発がん性があるといえるか否かの判定を下しています。
2004年の報告に新たに蓄積された知見を加えて、新しい総括報告が2012年に公表されました。これによると喫煙および受動喫煙はいずれも「グループ1」と判定されています。この判定結果は、放射線・アスベストなどと同じカテゴリで「がんを確実に引き起こす」という意味です。ちなみにダイオキシンは「グループ2A」であり「発がん性が強く示唆される」というものです。この報告書では以下のの部位のがんが「グループ1」と判定されています。
•口腔
•鼻咽頭
•副鼻腔
•喉頭
•肺
•食道
•胃
•膵臓
•大腸
•肝臓
•腎臓
•尿管
•膀胱
•子宮頚部
•卵巣
•骨髄性白血病

なお、この報告書は議論にも時間をかけ、判定は相当慎重になされています。たとえば2004年の報告では、乳がんと受動喫煙について研究結果からは発がん性ありと判定できるレベルだったものの、そもそもの能動喫煙そのものが乳がんについて発がん性ありと断言できる状況ではなく判定不可と判断されたため、受動喫煙と乳がんそのものについても判定不可とされていました。2012年の報告では、その後の知見の蓄積によって能動喫煙と乳がんの関連が可能性ありと判定されています。また2012年の報告で新たに「グループ1」と判定された主要ながんには、肝臓がん・大腸がん・卵巣がんがあります。
したがってこの報告書の判定で示されている部位は、喫煙しているとこれだけの部位でがんになるというよりは、むしろ喫煙が最低限これだけのがんを引き起こすと考えるのがよいでしょう。

また米国公衆衛生総監報告書も2004年に、1964年の初版以降40周年記念ということで更新版を公開しました。その中では下記の部位のがんが喫煙により引き起こされる、因果関係があると判定されています。
•口腔
•喉頭
•肺
•鼻腔・副鼻腔
•中・下咽頭
•食道
•胃
•肝臓
•膵臓
•子宮頸部
•尿路
•白血病(骨髄性)

たばこの煙の中には60種類以上の発がん性物質が含まれているので、その煙を吸うという行為によって、煙の通り道(くち・のど・肺)はもちろん、唾液などに溶けてとおる消化管(食道・胃)、血液中に移行して排出される経路(血液・肝臓・腎臓などの尿路)でもがんのリスクが高くなるというのももっともだと言えます。

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